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久々読書感想文。
今回はウィリアム・ゴールディング著「蠅の王」です。 ある時無人島に流されてしまった少年達。 それでもなんとか隊長を決め、秩序を設けて集団生活を始めるも、 徐々にリーダー格2人の少年の確執から、最終的にはお互い殺し合い始めるって話。 文庫の後ろに載っているあらすじに、「狂気にとらわれた少年たちはついに自分たちの仲間の少年を集団で手にかけてしまうに至る」とあったので、 けっこう早い段階で、そんな風に殺しあい始めるのかなーと思ってたんですよ。 で、最後主人公のラーフだけが生き残るって展開かと。 あー、バトロワの影響を受けすぎですね……。 実際に殺したのは2人だけ(話の最初の頃に死んでしまう子は事故なんで)だったので、正直拍子抜けしました。 人間て、一度タガが外れると、欲望というか本能のままに行動するようになって、 一人殺したら、あとはどんどんいくものだとばかり思ってたんで。 まぁ、あくまで捉え方の違いですけどね。 主役の少年二人(ラーフとジャック)の心理描写は、本当に凄いと思いました。 すごいリアルなのですよ。 これぐらいの少年って、自分と同年代のより優れた相手には、羨望を向ける代わりに、どちらかというと先に憎しみが立つのですよ。 それはまぁ、年代限らないことなのかもしれないのですが、もうちょっと大人になるとその感情をある程度は抑制できるようになると思うので。 で、そのお互いにする対抗意識からくる確執と対立が、すごい自然に描かれてて、 自分もこんな風に書けたらなーと心の底から思いました。 あと終わり方もすごい良かったと思います。 遂にジャックが、ラーフを本気で殺そうと、ラーフをおびき出すために、 煙を燻るんですが、その所為で島全体が火事になって、 もうどうしようもないってな状況になっちゃうんですが、 その火事の煙のおかげでそれを見つけた軍の人間によって救出されるっていうのは、 すごい皮肉なことなんですよね。 それまで何度もラーフが、救出されるためには焚火をたいて、煙を上げなければならないって皆に言い続けるんですが、殆ど誰もそれをあまり真剣に聞き入れてくれなくて、 一度救出されるチャンスが遇ったにも拘わらず、それを逃してしまい、 その後も結局狼煙を上げることは上手く行かなかったのに、 自分を殺そうとするための煙が救出の手助けをしてくれたなんて。 救出されて一応(読者的にもラーフ的にも)ハッピーエンドのはずなのに、 全然そんな風には見えなくて、なんとなく後味の悪さが残るのも大変良いと思います。 ラーフは人間の本性と友人の死を知り、ジャックは一時とはいえ文明人であることを忘れ蛮人になってしまったわけですから、たとえイギリス(彼らの出身地)に戻れて幸福な生活に戻れても、彼ら自身はもう元には戻れないわけですよ。 彼らのその後を考えるとぞくぞくしますね。誰か書いてくれないかなー。 とまぁ、色んな意味で良い作品だなーと思っているのに、 最後にラーフが軍の人間に助け出されるところで、 救出後の、助け出した軍人×ラーフを考えてイイ!と思った自分はすごい勢いで土下座するべきだと思います(ホントにな!) ところで、今さっきWikiで調べたところ、これって未来の話なんですね。 てっきり第一次世界大戦か第二次世界大戦辺りの話だと思ってたんですが。 PR この記事にコメントする
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